自動化の脅威に対して話すべきことはたくさんある。

AI やロボットが私たちの仕事を奪っていく。

会社や政府が私たちの生活を握ることになる。

これは「私たち VS 彼ら」という思考回路を作り出し、「どうやって自分を守ったらいいの?」という疑問に繋がる。

機械が勢力を持った時に、生き残れる少ない人々の一人になれるのか?

このようなシナリオでは未来の仕事が恐ろしいものに聞こえる。

人間は機械と同じように働くために存在することになる。

それぞれが自分の生活のために苦労し、置き換えられることに少しおどおどしている。

全ての男女が適者生存する。

仕事の未来を考えるため、新しい思考回路が必要だ。

Rise of the Robots の著者である Martin Ford は、拙著 Empower に関するインタビューを行った時、こう発言していた。

「その方法がみんなに合うわけではないと知っているなら、人として将来成功するためのアドバイスをするのはバカバカしいよね。」

本記事では従来の「人間 VS 機械」の話を弾き飛ばし、テクノロジーがどのように協力して私たちの能力を広げ、豊かな新しい時代へと導いてくれるのかという話をしたいと思う。

その中で、ブロックチェーン技術の力が仕事の未来に関わっていく部分を強調していく。

 

DAO— 自律分散型組織

仕事の未来に関して一番怖いシナリオは、伝統的な階級組織構造が前提となっている。

CEO がいて、指導者チームがあり、それから中間管理職、そして様々なタスクを行う忙しい従業員層だ。

AI とロボットはゆっくりと仕事を自動化していき、個人の役割と置き換わっていく。

これらのシナリオは従業員層が技術と上手く協調したり、より良い決断をしたり、まとめて繋げる頭脳により、もっと仕事を生産的で意味のあるものにする、という可能性が含まれていない。

もしかしたら管理者層が一切いらなくなる可能性だってある。

  • もし技術が人間に置き換わる代わりに、私たちの能力を広げ、新しい創造と工夫のレベルへと解き放つとしたら?
  • もしリーダーがいなくても、自分たちで組織を管理し、集団的に決断を下せるとしたら?
  • もし今まで想像もしなかったようなスケールで問題を解決し、生産性を上げることができたとしたら?

これが DAO(自律分散型組織)の可能性と見込みです。

DAO は協調性と集団的決断という方針が核にある。

トップダウンの階級的リーダー構造ではなく、人々はプロジェクトを管理するためお互いに支え合い、良いアイディアはチームメンバー間の共創プロセスを経ていくのだ。

 

ブロックチェーン技術と集団的知性

現在まで、優秀な DAO は自己組織化されている。

例としては、何千人という開発者たちの協力によって作られるオープンソースソフトウェアプロジェクトや Zappos のように管理職を撤廃し、毎日会社に行くのが楽しみで幸せ、共通のゴールに向けてお互いに協力するという文化を作ることに集中した会社がある。

ブロックチェーン技術は DAO を実行する組織的で拡張的な方法を示している。

ブロックチェーン技術は同じ問題の一部をそれぞれ違うコンピューターが解決する形で成り立っている。

それは非常に難しい問題で、1つのコンピューターだと51%以上は処理できない。

そのため、1つのコンピューターが中心になるということはありえない。

問題が解決した時には、それぞれ貢献した人たちがその働きに対して報酬を得る。

DAOstack といった会社では同様のアプローチで集団的知性と組織統治に取り組んでいる。

従業員たちはブロックチェーンでの問題解決と似た形で、どうやって組織を運営し、方向を定めていくかという提案をしていく。

それから投票や集団的意思決定に参加し、合意に持っていく。

そうすると、参加者たちは参加したことと、結果に繋がった貢献度を基準として報酬が与えられる。

DAO の革命的で新しいアプローチでは、複雑な問題の全ての面において、とても詳細に貢献度が計測される。

それにより、誰が何に貢献したかを当てずっぽうで決定するようなことはなくなり、伝統的な階層構造を平たんにし、成功に対する新しい報酬制度を作り出す。

提案は何に対して行われてもよく、日常的な問題解決から、今後の組織方針に大きな影響を与えるようなイノベーションでもよい。

DAO は中にある場合とわたる形になる場合がある。

各部署がそれぞれ独自に集団的知性を利用する方法を持っており、貢献者たちの分配ネットワークでわたるという意味だ。

組織が大衆に向けて投票や集団的意思決定をオープンにすることもできる。

新商品に対するフィードバックをお願いして、どの問題を解決するべきか問うこともできる。

タスクをクラウドソーシングすることだって可能で、そのニーズ次第で組織を大きくしたり小さくしたりすることもできる。

根本的なレベルでは、これらの技術全体において仕事の話をする場合、人間性を中心に据え続ける必要がある。

機械が広がっていくことは、人間を外していくことを意味するわけではない。

貢献度を基準に、価値と所有権を分配する機会がある。

こういったタイプの分散組織は貢献者たちの分配ネットワークを作るだけでなく、長いスパンで共有できる価値となり、未来の仕事が移行し、変化していっても個人が価値の等式の中に含まれる。

 

トークン化、そして管理職の無駄を省く

昨今、多くの組織内である大きな問題は管理職がイノベーションを阻むということだ。

彼らの意識は数値と成績を達成することだけに集中している。

イノベーションに努力が向けられていると、既存の商品を売ることへの意識が散漫になる。

仕事と成功は短期的な成果に左右されることとなる。

Clayton Christensen の著書 The Innovator’s Dilemma(イノベーターのジレンマ)の中心にあるパラドックスがこれだ。

「良い企業は良い管理によって失敗する。」

典型的な例は Kodak で、デジタルカメラを発明したのにも関わらず、市場に持っていくことに失敗した。

しかし皮肉にも、最近 Kodak は新しいブロックチェーンの構想を発表し、株価が急激に上昇した。

DAO を大規模な組織の中で、横ともに機能させるには、Adam Grant のベストセラー本、Give and Take で描かれた未来のリーダーシップ像が関わってくる。

彼にインタビューした時、こう述べていた。

「他人の問題を解決するために使った時間は、組織の問題を解決する能力を身につけさせてくれる。」

最初に所属した時に割り当てられた役割の範囲だけで働くのではなく、組織の問題全てに貢献するよう推奨することで、さらに良く価値のある従業員にすることができる。

トークン化は会社のイノベーションと将来の成功に対する報酬メカニズムとなる。

従業員は基本給があり、報酬の多くは様々な DAO を通じてどれだけ集団的意思決定に参加し、貢献したかに左右されるというシナリオが想像できるだろう。

組織では短期目標を最大限効率化し、イノベーションプロジェクトも打ち上げることができる。

こういったタイプの報酬構造は役職や経験ではなく貢献度と価値によって定められている。

究極的にはさらに生産的で、全体的な運用コストを低く抑えることもできるだろう。

人々は良い結果に繋がったものに対して自然と報酬を受け、職場を集団的知性に基づいた実力主義社会へと変えていく。

管理職の報酬も長期的なイノベーションプロジェクトを抱えながら、短期目標を達成するための焦点も併せ持つことへと繋がっていく。

 

勇敢な新しい分散化世界

DAO が実施される方法は無限にあると思われる。

従業員の給料や予算をもっと透明化することから、イノベーションや特別なプロジェクト用の研究開発予算管理、民主的意思決定の直接参加を政府が推奨し、社会がさらに良い方向へと合意されていく確認をすることまで。

DAO やブロックチェーン技術がさらに牽引力を持つようになり、大きな組織での運用ケースが増えてくると、前例のないレベルの創造性、イノベーション、世界規模の大きな問題を解決する集団的知性へと繋がる可能性を見せると思う。

技術は未来の仕事に対する脅威ではなく、新しく勇敢な分散型の世界への扉を開くかもしれない。

本記事は DAO を構築するための新しいブロックチェーンプロトコルとプラットフォームである DAOstack の協力により執筆された。

DAOstack のこと、近日あるトークンセールについてもっと知りたい場合は、こちらのウェブサイト(https://daostack.io/)を訪問するか、Telegramに参加してください。

Source : DAOs and the Future of Work

※ 原著者に翻訳及び転載の許諾を得ています。