インターネットが再び変わり始めています。

ここ 10 年の間にインターネットベースのサービスは中央集権型がトレンドとなっていました。

現在、少数の企業が情報検索、個人情報の保存、オンラインアイデンティティ管理、公的にも私的にもコミュニケーションを取ることに使うプラットフォームを管理しています。

同時に、一見関係のない一連の技術、暗号化メッセージからデジタル通貨まで、テクノロジー業界の周辺で開発されています。

その緩いコミュニティの中で、Web 3.0 は今よりも良い、新しいインターネットのビジョンを表す包括的な言葉となってきました。

インターネット上では自然と支払いやお金がデジタルとなり、そこでは非中央集権型アプリ( DApps )が中央集権型アプリと競い合い、ユーザーが自分の ID やデータを管理する権利がさらにある場所となっています。

しかし、これら全ての意味を明確に説明するのはなかなか難しいです。

Web 3.0 が前時代のインターネットからどのように違うのか?

「分散化」とは何を意味し、何をそんなに気にしなければならないのか?

こういったテクノロジーは実際どのように使われるのか?

ブロックチェーンがもっとスケーラブルになるよう、インフラ作りに何年もかけています。

しかし、誰が実際にこのインフラを使い、何のために、そして誰が気にするのでしょうか?

この記事では Web 3.0 のビジョンを明確に、簡単な言葉で説明する試みを行っています。

Web 3.0 を形作る多くのプロジェクトの背景にある、核となる活発なアイディアについて話し合い、3 つのキートレンドを調べました。

この記事は未来予測ではありません。

未来はまだ定まっていません。

自分たちが望む世界を手に入れるには、正しい選択をしなければなりません。

この記事の大事な点は、未来がどのようになる可能性があるのか、注目せずにはいられないほど価値のある未来になるのか、どちらの方面に向かえば良いのかわかるくらい明確な未来を説明することです。

 

Web 3.0 の再形成

インターネットは以前にも大きな世代交代をしています。

インターネットのパフォーマンス、特徴と規模を広げました。

文字のウェブサイトからビデオストリーミングへと移っていきました。

静的なウェブサイトからブラウザを通じてリモートで動くフル装備のアプリへ進化しました。

最新の政治や文化を動かすのは Listserv から世界規模の SNS へと変わりました。

ウェブが成熟するにつれ、私たちは少数の大企業にどんどん頼るようになっていきました。

Googleは最も高速で便利な検索エンジンを構築し、すべての検索トラフィックの 74% 以上を管理しています。

Facebook は最も人気の SNS を作り、22 億人もの人々のオンラインアイデンティティを獲得しています。

Web 3.0 は前回の世代交代とは違います。

Web 3.0 は速さやパフォーマンス、便利さといったものが中心にありません。

実際、多くの Web 3.0 の アプリケーションは、今のところ既存のものより速度は遅く、不便さがあります。

その代わり、Web 3.0 の主軸は「力」にあります。

誰が技術やアプリケーションを管理するのかという話です。

ここ 10 年ウェブ上で作られてきた動力を壊すことが目的であり、便利と支配のトレードオフなのです。

私たちはずいぶんこの動力に慣らされており、避けては通れないもののように感じられます。

もちろん、インターネットを使うということは監視下に置かれることを意味しており、SNS アカウントを持つということは個人情報が広告主に売られたり、それ以上に悪いことが起こったりすることを意味しています。

他にどのような方法があるというのでしょうか?

Web 3.0 ではこの前提を排除します。

数社にほとんどの力を握られることなく、インターネットの恩恵を受けることができるのです。

上記の動力は世界の鉄則ではありません。

単純に現代の技術で実現可能な製品であり、その間に私たちが選択してきた結果の産物なのです。

「 Web 3.0 」は様々な技術を作り、より良い選択をするための活動なのです。

ウェブを置き換えようとしているのではなく、気に入っている部分は保持しながら、その根底にある構造を変えようとしています。

これは再構築で、革命ではありません。

それぞれのプロジェクトに一見共通点はなさそうですが、全て同じテーマを共有しています。

Web 3.0 はインターネット上で支配されているものを再構築する一連の技術です。

その内容は金融プロジェクト(暗号通貨)、基本的なコミュニケーション技術(エンドツーエンド暗号メッセージング)、大衆向けの使用例(オープン・ソーシャルネットワークや P2P マーケット)、重要なインターネットインフラ(分散型 DNS )と多岐にわたります。

Web 3.0 は暗号通貨、ブロックチェーン、他の暗号経済デザイン製品以上のものが含まれます。

中央集権型のインターネットを再構築する技術を全て含み、ユーザーにデジタル生活の管理権を戻すものです。

こういった技術が今日の Web 3.0 の活動に最も顕著に貢献していると信じており、この記事ではそれらに注目したいと思います。

 

Web 3.0 の つのトレンド

本記事では 3 つのトレンドを調査し、この先どのように発展していくかを議論したいと思います。

  • 1 つめはお金。インターネットに備わった特徴となるでしょう。
  • 2 つめは非中央集権型アプリ( DApps )がユーザーに新しく与えるもの。
  • 3 つめはユーザーが自分のデジタル個人情報やデータにもっと管理権を持つことについて。

これらは全て、あくまでも推論であるのを忘れないことが大切になります。

必然的に Web 3.0 は私たちが想像もできない技術やアプリが含まれますし、以下に記述するものも現在の想像とは違ったものになる可能性があります。

 

⑴ お金

Web 3.0 にとってお金はインターネットに最初から備わった機能となります。

今まで、インターネットは単純にオフライン、従来型の金融システムへの扉でした。

しかし、暗号通貨は根本的にデジタルで、送金するのにオフラインシステムと相互作用する必要がなく、インターネット上でメッセージを送るだけで完了します。

私たちはそのうち、「お金」がインターネット上だけのものになった世界に住むかもしれません。

  • お金を支払ったり、受け取ったりというのは現在どのようなソフトでもできることですが、それを拡張することでインターネット接続環境と電話があれば個人が誰でもできることになります。
  • デジタル送金は今まで実行不可能であった新しいビジネスモデルの扉を開きます。送金コストを大きく抑え(例:国際送金)、新しい使用例を可能にし(例:機械支払い)、大きな新しい市場に出ていくことができます(例:従来の金融システムが今まで利用できなかった人たち)。
  • 貸出、金融派生商品、両替といった原始的な金融生態系の基本部分を、誰でも使えながら、さらに複雑な金融アプリケーションの建築用ブロックを与えます。
  • 科学技術者たちが暗号経済デザインの空間を探索するに従って、私たちは新しい種類のお金を作ります。私たちはまだ、プロトコルトークンや流用不可能なデジタル資産といった可能性を探り始めたばかりです。

暗号通貨は Satoshi が中央集権型の企業に一切管理権を持たせることなく、通貨と支払いネットワークを支える方法を発明したため可能になりました。

Bitcoin が分散型( DApps )なのは、大きなマイニング企業、個人のノード運用者、コアプロトコルの開発者といった、様々な演者たちに「管理」されているからです。

その人たち全てが違った形、そして違った度合いで影響を及ぼしますが、誰一人としてネットワークの独占的な権力を持つことはありません。

「非中央集権」が Web 3.0 の中心コンセプトとなってきました。

しかし、細かい技術面の説明というよりは、スローガンのように使われています。

分散化することにより、幅広い可能性に触れることができます。

20 グループの集団が管理すればプラットフォームは「分散化」されているのでしょうか?

それとも 100 グループ?

10,000 グループ必要?

私たちは一体どのようなタイプの分散化を考えているのでしょうか?

分散化とは二元化された状況ではありません。

可能性のスペクトラムに沿った方向性なのです。

システムを「分散化」するということは、エンジニアに橋を「大きく」しなさいと言っているのに少し似ています。

それは間違いないですが、それだけではあまり役立つ情報ではありません。

どの川に橋を架けたいのか、どれくらいの負荷に耐えなければならないかも知る必要があります。

Web 3.0 のポイントとなるのは、全てのシステムをできる限り分散型にすることではなく、スペクトラム上にある多くのポイントを新しく探索することができるようになっているところです。

便利な、もしくは必要な分散化の程度はアプリケーションによって異なります。

Bitcoin はその良い例です。

支払いを検閲するには非常に難しい程度まで分散化されており、通貨の基本パラメータを変更するのも非常に難しくなっています。

すなわち、Bitcoin の総量は永久に変わらないという、デフレ的金銭方針を取っています。

他にも分散化の利点を活かし、別の特徴を持った同様のグローバル通貨を作ろうと試みている人たちがいます。

例えば、Dai のようなステーブルコインは変化しやすい性質の問題点を解決しています。

Bitcoin が最初だったため、暗号通貨唯一の設計のように思われがちです。

その結果、「暗号通貨」はデフレ通貨の美徳のように、お金に関する特定の政治観と同義になってしまっています。

デジタル通貨に関しては様々な設計があり、それぞれ違った目的を担えることを理解するのが大事です。

Bitcoin に熱狂している人たちは、暗号通貨の目的は熱狂家好みの金融方針を選択する権利を与えることだと信じており、明らかに優越しています。

もっと控えめな解釈は、暗号通貨の革命はどのタイプのものであれ、ただ人々が金融方針を自分で選ぶということになっています。

必要なのはインターネット回線と電話だけです。

 

⑵ 非中央集権型アプリケーション( DApps )とサービス

現在のインターネットを作り上げる製品やサービスはそれぞれ独立した企業によって生産され、管理されています。

インターネットベースのアプリケーションを使うと、それを管理する事業者がほぼ必ずいます。

その企業はその製品のために人を雇い、機能の優先度を決定し、アプリケーションデータを保持するサーバーを管理し、最終的にはどの規則を製品に通すかを決定します。

Web 3.0 においての約束は他の選択肢がある可能性がある、ということです。

一つの企業に管理されない製品やサービスで、中央集権型の製品と同等の利便性があるものも作れるかもしれません。

Bitcoin と同じようにそういった製品は「分散化」されますが、分散化の理論的解釈や利点は違うものになるかもしれません。

例えば、「分散型出版プラットフォーム」がどういったものになるか、想像してみましょう。

Twitter や Medium のように、ユーザーがコンテンツをシェアしたり、コメントを書いたり、好きなコンテンツに「投票」するソーシャルプラットフォームとなるでしょう。

プラットフォームはユーザーたちの貢献を推進するビルトインのメカニズムを持つでしょう。

ただ「いいね!」するだけではなく、お互いにマイクロペイメントをしたり、支援したいコンテンツクリエイターに定期的な支払いをできるように設定したりすることもできます。

優れた Twitter アカウントや Medium のライターが、膨大なフォロワーをなんとかお金に繋げる二次的な方法を考え出す必要もなく、プラットフォームから直接支払いを受けることができます。

たとえ、1 つの「いいね!」が数セントの価値だったとしても、YouTube のように 100 万回再生されてクリエイターが稼げるのはようやく数千ドルといった、中央集権型プラットフォームの状況からは改善されるでしょう。

分散型のプラットフォームでは、ユーザーたちがお互いに直接支払うため、大幅にマージンを取っていく仲介者が存在しません。

さらには、インフレ資金を利用して報酬を貯め、毎日 No.1 の投稿者に配布することもできます。

分散型サービスを管理する核となるルールはオープンソースプロトコルで定義されています。

ユーザーたちは自分たちが選択したクライアントソフトウェアを使い、そのプロトコルを通じてやり取りを行います。

言い換えればアプリの種類は多様で、それぞれ違った開発者の手で作られていながら、全て同じソーシャルネットワークに繋がります。

それぞれ違った特徴を提供するかもしれませんが、メールクライアントが全てメールの送受信に対して同じ基準に沿っているのと同じように、全て同じ共有プロトコルに従います。

ユーザーはどのクライアントでも使うことができ、クライアントはそれぞれ違った特徴を与えたり、外部サービスを提供したりすることができます。

分散型プロトコルの上に構築しているので、クライアント開発者は中心企業に許可を得る必要もないですし、ある日突然 API アクセスが無効になる恐怖に怯える必要もありません。

Twitter が新しいアンチスパムやアンチハラスメント機能を追加するのをユーザーがひたすら待つ必要もなく、ただそれを提供してくれるクライアントを使うだけの話になります。

オープンプロトコル上に育っていくサービスの生態系は、現在 Twitter でできることが全てできて、さらにもっと多くのことができるようになります。

これは分散型プラットフォームの正当に評価されていない利点を説明しています。

第三者サービスの持続的生態系です。

アプリ開発者は分散型プロトコル上に、ある日突然 API アクセスが廃止される不安に怯えることなく役立つ製品を構築することができます。

無効にできる企業がないからです。

プラットフォームは常にニュートラルであり続けることができ、つまりはさらに大きな開発者ネットワークが、事業を構築するために自分の時間とお金を投資できることを意味しています。

Chris Dixon の「なぜ分散化が大切なのか」という記事はこの議論をさらに深く掘り下げています。

もちろん、一企業が作り上げた製品やサービスを私たちはこれからも使い続けるでしょう。

しかし、それらの企業が製品を管理する種類を制限し、もっとユーザーに管理権を持たせるように移行していく可能性はあるでしょう。

それはすでに暗号化メッセージアプリですでに存在しています。

例えば Signal( Open Whisper Systems 制作)といった製品では、顧客のコミュニケーションを一切見ることもなく、保持することもありません。

アプリをエンドツーエンドの暗号化でアプリケーションをデザインすることで、意図的にユーザーに対する管理権を制限しています。

初期のインターネット関連ベンチャー企業は「悪にならない」という理想を約束していました。

Web 3.0 関連の企業はさらに高く、「悪になれない」ことを保証する、少なくとも特定の悪に対しては敬意を払うことを目的に掲げています。

Web 3.0 はそもそも特定タイプの権力を持つことを拒否し、開発者が顧客の管理権を制限する技術が含まれています。

これは中央集権型の企業をある程度まで信じなくて良いということではありませんが、少し信じない部分もあって良いという意味にはなります。

 

⑶ アイデンティティとデータのユーザー管理

Web 3.0 では自分のアイデンティティやデータにもっと管理権を持つことができます。

現在、私たちのオンラインアイデンティティの多くは誰かの所有物となっています。

Gmail アドレスや Facebook アカウントがそれに当たります。

Web 3.0 はオンラインアイデンティティの個人管理という土台を敷いています。

これはある程度、暗号通貨のために構築されたインフラの結果でもあります。

暗号通貨を持つためにはプライベートキーを持つ必要があり、何百万人という人がこれを行うアプリを使用しています。

しかし、同じ技術が個人情報を含むブロックチェーンベースのデータを管理することを可能にします。

こういったアプリを「ウォレット」と呼ぶのは偶然ではないでしょう。

将来的には、あなたのお金だけでなく、あなたの ID も保持することになるでしょう。

同時に Web 3.0 はユーザーに自分のデータを保持する権限を与えてくれます。

まず、自分の身元を使うかどうか、第三者から提供されたものを使うかという選択肢が与えられ、Facebook のような身元提供者がユーザーデータを捉える機会を制限します。

そして、分散型サービスが出現したことにより、SNS を使ったり、アパートを借りたり、家に帰るために車を手配したりする時に、個人データを集めて保存し、売るような立場にある中心企業がない場合があることを意味しています。

一般的に私たちが使うインターネットでは、個人データを集めないプラットフォームやシステムのシェアが拡大していくでしょう。

最後に、Web 3.0 の技術が提供してくれる新しい可能性、自分で自分のアイデンティティやデータを管理し、世界規模の支払いネットワークができる、ということはソーシャルメディア企業が 10 億ドル規模のビジネスになったような価値を個人ユーザーが掴むのを容易にすることを意味しています。

それらの企業があなたのデータを集めるのは価値があるからです。

Web 3.0 では代わりに、ユーザーがその価値を掴みます。

もし自分の個人的なブラウジング習慣に関するデータを売りたいと思ったら、自分が直接売ることができます。

そして、そのお金はあなたがもらうことができます。

Facebook が持っていくわけではありません。

私たちがデジタル資産の所有権に関する新しいメカニズムを試すにつれ、個々のユーザーは毎日使うテクノロジーのカケラ、今現在は事業者やベンチャー資本家、認定された投資家のみが持っている機会を実際に所有する新しい方法を手に入れられるようになるでしょう。

 

まとめ

Web 3.0 は必然的なものではありません。

これまで説明してきた未来の可能性はおそらく様々なバリアに直面し、そのうちのいくつかは乗り越えることができないかもしれません。

現在、すでに明らかとなっている Web 3.0 の問題点は以下になります。

  • 非中央集権型アプリケーション( DApps )を作るという動機を実際に事業者は持つのでしょうか?誰が資金を与えるのでしょうか?現在、これらのアプリケーションに対して、利益とベンチャー規模の報酬の道筋は不明瞭です。そのため、従来の中央集権型のビジネスモデルの方がまだ信頼できます。
  • 非中央集権型アプリケーション( DApps )は中央集権型アプリケーションより悪化するのでしょうか?一つの企業が管理する製品はもっと首尾一貫したビジョンを持っている可能性があり、新しい機能を素早く繰り返すことができます。中央集権型の製品は常により良い UX と簡単なセットアップを提供できるかもしれません。
  • 非中央集権型アプリケーション( DApps )の暗号化コンポーネントは多くのユーザーにとって難しすぎるのでは?安全に取り戻せる方法でどうやってユーザーはプライベートキーを管理するのでしょうか?何かしらの集中型サービスに戻さずして、それは可能なのでしょうか?
  • 非中央集権型アプリケーション( DApps )は使用するのに高くつくのではないでしょうか?低いレベルの分散型システム(例:ファイルストレージ、計算、Oracle )は機能させるため、多くの余剰物が組み込まれています。こういったレイヤーは非中央集権型アプリケーション( DApps )を高価なものにしてしまうのでしょうか?
  • 「スマートコントラクト」が組み込まれている非中央集権型アプリケーション( DApps )が理に適う日は来るのでしょうか?アプリケーションの要件を永久に満たす「不変な」コードを書くことなど可能なのでしょうか?もしスマートコントラクトのアップデートが必要になった場合、誰がそのアップグレードを決定するのでしょうか?それは果たして集中型アプリケーションと何が違うのでしょうか?
  • 非中央集権型システムはどのように「統治」されるのでしょうか?それぞれ違った興味と優先度を持っている演者のグループ内で合意を得るよりも、中央集権型の企業が完全に管理権を持っていた方が意思決定は簡単です。違った政治主義や文化を渡っていくベースレイヤーの統治はどのようになるのでしょうか?
  • プライバシー、自分のアイデンティティの管理、オープン金融サービスにアクセスすることを気にするユーザー数は十分にいるのでしょうか?それとも、Web 3.0 の目的はニッチな関心事になってしまうのでしょうか?
  • 政府や監督機関は Web 3.0 にどのように対応するのでしょうか?人々に新しい能力を持たせる技術により、必然的に緊張状態が生まれています。Web 3.0 には検閲や監視を回避する技術が含まれており、金融規制や法規制を逃れる方法として使われる可能性があります。
  • Web 3.0 で使われているベースレイヤーのブロックチェーンは何百万、何十億といったユーザー数を支える規模になれるのでしょうか?

こういった不確実性はありながらも、Web 3.0 は未来に向けて価値のあるビジョンです。

この技術が持っている問題点を解決することよりも、近視眼的に技術に集中している点で、暗号通貨とブロックチェーンの熱狂者たちは正しく批判されています。

暗号通貨やブロックチェーンは終着点ではありません。

問題を解決して、今のところ価値がある、というものです。

Web 3.0 の視点は、問題を再度私たちに向けさせてくれる点で役立っています。

インターネットは中央集権的になりすぎており、少し開かなければいけないのです。

何か特定の技術ではなく、Web 3.0 のビジョンに注目することは暗号通貨空間のほとんどを定義しているパルチザン政治から一歩出ることにも役立ちます。

Web 3.0 がどのプラットフォームで最終的に使われるか、知ることは不可能です。

この技術で何ができて、人のためにどんな問題が解決できるかというところに焦点が向けられています。

Ethereum や Bitcoin は崩壊するかもしれません。

しかし、そうなったとしても Web 3.0 のビジョンが滅びることはありません。

ただ、この 8 年間で開発してきた暗号経済という同じ知識を応用し、新しくてより良いバージョンのシステムを構築するだけの話です。そして構築し続けるのです。

Web 3.0 はユートピアにはなりません。

そして、そうなるだろうという思い違いをするべきでもありません。

これまでの 20 年で技術は魔法の弾丸ではないことを教えてくれているはずですし、インターネットのあるところには常に人間の問題が付きまといます。

政治、権力、管理はウェブが発明されても消えることはなく、違った形になっただけです。

現時点において Web 3.0 の約束は、権力と管理を制約することが設計要件であり、後付けのものではないということです。

私たちはインターネットが目指していたものを構築する 2 回目のチャンスを与えられています。

もしかしたら 3 回目はないかもしれませんので、できる限りのことはしていきましょう。

Source : Making Sense of Web 3

※ 原著者に翻訳及び転載の許諾を得ています。