序論

読者の皆様へ

この記事は Status Community Competition のエントリー用に執筆しました。

私がブロックチェーン技術について学び始めたのは2016年の終わり頃でした。

2017年10月に自分の意見を表現するに足る知識が十分についたと思い、人々がブロックチェーンをどこにでも、存在していないケースにすら使いたがっていることについて批判する記事を書きました。

それ以来、私は定期的にブロックチェーンの技術的な面について執筆し、複雑な言葉をシンプルに人々に説明できるよう努めてきました。

今回の投稿はそれらの記事とは異なるものです。

ブロックチェーンの荒れた専門用語は使いませんし、イーサリアムがどうとか暗号通貨の仕組みについて説明することはありません。

その代わり、最初は現在までのウェブの歴史について思い出させる記事にしました。

それから、近い将来、2018年現在のインターネットに近い形で、ブロックチェーン技術がシームレスに私たちの生活に織り込まれた時代の話をしたいと思います。

もし、私の想像ファンタジー部分だけを読みたい場合は、遠慮なく最後の段落「Web3.0 の向こう側、未来の姿」まで飛ばしてください。

どうぞ、お楽しみください。

 

Web 1.0

ENIAC は巨大な部屋だった
ENIAC は巨大な部屋だった

今日のポケットサイズコンピューター(あなたがこの記事を読んでいるそのスマホです)とは反対に、1950年代のコンピューターは巨大なデバイスでした。

一部屋全体を埋め尽くし、科学者や学者たちだけが入れる部屋でした。

「インターネット」という言葉や「ピアトゥピアネットワーク」も言うまでもなく、そんなアイディアすらなかった時代です。

1969年頃、ARPANET という軍事研究プログラムが国防高等研究計画局(DARPA)により立ち上げられ、アメリカ国内の軍事研究者たちの間でスーパーコンピューターの共有が促進されました。

ARPANET が現在のインターネットの前身です。

1993年まで早送りし、最初の GUI ブラウザ、NCSA Mosaic がリリースされました。

1995年に Netscape Browser がリリースされ、インターネットが主流となった時代を示します。

100人当たりのインターネットユーザ数
100人当たりのインターネットユーザ数

 

Web 2.0

次にウェブのイテレーションとなったのは、Google、Facebook、Amazon といった巨大なインターネット企業の出現です。

さらに、ネット銀行サービスも始まり、電子国際決済が可能となりました。

Wikipedia や YouTube が情報(またはおもしろ動画)探しの標準となりました。

現在では有名になったウェブサイトの先祖たちに敬意を表する。

昔のYouTubeにMSN Hotmail、懐かしすぎて涙が出ますね。
昔のYouTubeにMSN Hotmail、懐かしすぎて涙が出ますね。

Facebook やソーシャルメディアにより、誰でも世界中の誰かと繋がることができるようになり、社会的な人間関係の構築と維持方法が革命的に変わりました。

Amazon は当初本屋として始まりましたが、現在ではほぼほぼ何でも、本からクラウドサービスまで販売しています。

Google や他のサーチエンジンは毎日増え続ける膨大な数のウェブサイトに索引をつけ、素早くアクセスするためのキープレイヤーです。

Web 2.0は今までになかった非常に便利なサービスへのアクセスが可能となりました。しかしコストは?

「もしあなたが商品にお金を払っていないのなら、あなた自身が商品です。」

どのような種類の中央集権サービスであれ、下記のことに晒されます。(すべてを網羅したリストではありません。)

  • 勝手な利用規約の変更
  • サービスの停止
  • 巧妙な操作(例えば、歪んだ検索結果)
  • 検閲
  • データの「洞察」、より個人的な広告に使われる―非常に大きなプライバシーの侵害
気候変動に関する Google のレコメンド
気候変動に関する Google のレコメンド

Web 2.0 は多大な実利をもたらしたが、同時にあなたの「デジタル権利」をサービスプロバイダーに委任しなければならなくなっています。

 

Web 3.0

「タイムズ紙2009年1月3日 大臣が銀行に対する2回目の救済措置危機に直面」

上記は9年前に作られた、ビットコインのジェネシスブロックに添えられた一文です。

ビットコインは金融界に革命を起こしました。

その後すぐ、人々はブロックチェーンがお金だけでなく他のものにも使えることに気が付き始めたのです。

使用ケース

  • 身元特定サービス(ドメイン登録、権利登録)
  • 物流(供給チェーントラッキング)
  • クラウドファンディング
  • ギャンブル
  • ソーシャルメディア
  • 予測マーケット
  • IoT(Internet of Things)
  • 投票
  • その他色々・・・

検閲されず、権力が中央集権的ではなく、透明性が高く、トラストレスな方法で計算を行う必要があったのです。

このニーズはビットコインの上に構築されたレイヤーである、カラードコインと呼ばれるもので部分的に満たされました。

ビットコインのスクリプト言語を利用し、ビットコインのブロックチェーン上にさらにデータを保存しています。

ビットコインは序章でした。これが Web 3.0 の始まりです。

もっと複雑で一般的な目的(通貨以外の目的)のためにブロックチェーンの計算が求められ、スマートコントラクトや非中央集権アプリケーション(DApps)という言葉が生まれる基となった、イーサリアムのようなプロジェクトが立ち上がりました。

ここ数年でイーサリアムの DApps は随分と進化しました。

スマートコントラクトはイーサリアムのブロックチェーン上で存在の証明をするため、価値を保存する意味で作られた単純なコードから始まりました。

それから、通貨として使われるようになり、ERC20 の仕様がイーサリアムのネットワーク上で新しい通貨(トークン)を作るための基準となりました。

そして、自律分散型組織(DAOs)や分散取引所(DEX)のコンセプトといったイノベーションがこの後に続きました。

しかし、実際の使用ケースや素晴らしい可能性があったとしても、DApps は現在、以下のような問題に苦しめられています。

  1. UX が悪い:無学なユーザーなどいません。ただただ良くない UX があるだけです。
  2. スケーラビリティが悪い:出ました、CryptoKitties(暗号猫)です。プルーフオブワークに多大なエネルギーを費やしています。
  3. セキュリティが悪い:十分なリターンがあれば、ハッキングできるものはハッキングされるのです。(ヒント:TheDAO, Parity Wallet)
  4. プライバシーがない:これを非常に気にする人は今でもいるのです。

これらの問題がある限り、ブロックチェーンが「ネットスケープの時代」のような状態になるのは不可能で、事業家たちのバズワード、サイファーパンクたちのトラストレスな処理方法、開発者の混乱の一途を辿っています。

 

Web3.0 の向こう側、未来の姿

もしも「ネットスケープの時代」が来た時に何が起こるのでしょうか?

それでは、DApps を日常的に使用している、ある未来の一日へご案内しましょう。

注:この物語は reddit で読んだコメントで似たようなものに随分影響されています。

どうにか探そうとしましたがその甲斐なく、もし何かを思い出したり、情報源があったりしたら教えてください!

免責事項:今回の話では一つのコミュニティに焦点を当てるためにイーサリアムのみのプロジェクトを使用しますが、これは他のプロジェクトが同様、もしくはそれ以上の結果を残さないということを示しているわけではありません。

本作では以下のプロジェクトに焦点を当てます。

(再度、これは全てを網羅したリストではありません。)

Status, Golem, Raiden, Aragon, Maker, Basic Attention Token, Request Network, Funfair

時は2040年

あなたは朝8時に起き、朝食の準備を始めます。

スマホにポップアップが表示されます。

昨夜レンダリングしておいた 3D モデルが完成したのです。

42 GNT が Raiden のペイメントチャネルから引かれます。

1337台のコンピューターが計算パワーを共有し、あなたのタスクを完了するために協力しました。

もう来月は 3D デザインをしないので、ペイメントチャネルを閉じ、先月分のレンダリングサービス料、合計2000 GNT を支払います。

次の DAO 投資用に、ID に関連する書類の仕事もしなければなりません。(法律も進化しましたが、未だに紙が王様です。)

自分の電気自動車に乗り、市役所へと車を走らせます。

残念ながらバッテリーの残りがあと30%しかありません。

あなたの車(渋滞に巻き込まれている間です。この問題は永遠に解決しません。)は分散エネルギー市場にリクエストを送信し、隣の車から必要なバッテリーライフを少額でもらってきます。

市役所に到着するにあたり、uPort ID で身分証明をし、投資した会社の最初の掛け金として 1000 ANT を預けます。

すぐに役員会議の決議に対して投票する権利を得ることができます。

次に、Andreas Andonopoulos の「Mastering Ethereum」第20版がリリースされたという情報を得ます。

素早く OpenBazaar にブラウズして、Ether で購入します。

少し自由時間ができたので、ちょっとフリーランスの仕事をすることにします。

全ての注文を完了し、リクエスト(新しい形の送り状)を送信します。

その仕事に対する対価は REQ で受け取ります。

しかし、REQ は最近あまり成績が良くなく、来週は0.4%の変動性があるという噂が流れています。

(Maker と Digix のおかげでこの時代の暗号通貨はほとんど安定しており、0.25%以上の変動は危険と考えられています。)

一番お気に入りの DEX を使い、すぐに REQ を別の通貨に両替します。

プルーフオブステークのアルゴリズムの科学的躍進により、瞬時に合意が行われ、全てのことがミリ秒単位で進行します。

夜遅い時間になったので、友達と遊びながら Gramatik の最新アルバムを聴くことにします。

GRMTK コインを持つことで支援する形になっています。

代わりに一番好きな動画ホスティングプラットフォームでコンテンツを閲覧し、BAT でチップを渡すことでコンテンツのクリエイターたちを支援します。

もし、あなたがギャンブル好きなタイプであれば、Funfair で Fate Channel を開き、公平さが証明されたルーレットを回しても良いかもしれません。

上記のインタラクション、支払い、コミュニケーションは全て Status アプリを通じて行われ、イーサリアムの生態系とシームレスに統合され「CryptoApocalypse」の前に中国で使われていた WeChat と同じ規模で利用されています(およそ2034年、中国の鉱業が崩壊した後)。

全ての処理はプライベートで行われます。

ZK-Snarks ありがとう。

Quantum のコンピューターの話はまだ数十年前で、Shorのアルゴリズムは未だに3桁以上の因数分解ができていません。

仲介人はいません。分散型です。手数料は無料。

これが Web3.0 の始まりです。

 

結論

以上です。歴史の振り返りやちょっとしたフィクションの話が気に入っていただけたら嬉しいです。

このコンテストに参加させてくれた Status に大きな感謝を申し上げます。

参加者全員にご武運を。

私たちが今いるところを覚えておきましょう。ここが歴史のターニングポイントです。おそらくね。

Source : Paradigm Shift: From Web1.0 to Web3.0

※ 原著者に翻訳及び転載の許諾を得ています。